そう、周助のためには、私なんか、必要じゃない。
    そうだよね・・・。


    ありのままの君が好き


    私は3年6組。そして、なぜか不二周助の彼女である。
    最近、あまり話してない。
    すべて私のせい。
    私が悪い。
    このままじゃ、周助がかわいそうだよね・・・。
    そう、きっとそうだよ。


    その日、久しぶりに一緒に帰ることにした。
    5:30に、靴箱でという約束を交わし、私は部活へ向かった。
    美術部の私は、展覧会に出す、風景を書いていた。
    窓の下に笑っている周助が見える。


    私の前であんなふうに笑ってくれたことがあっただろうか・・。


    それから部活も終わり、私は5:20には靴箱にいた。
    周助は、手塚君と話があったらしく、約束の時間に遅れてきた。

    「ごめんごめん。ちょっと試合の話をしてたら遅くなっちゃった。」

    時計の長針は9のところを指していた。

    「いいよ、私も片づけしてたら遅くなっちゃったから。」

    なんて、嘘ついてみた。
    周助は「そうなんだ。美術部は片付けるものが多いからね。」といって、靴えお履き換えた。
    私も履き換えて、二人で校門を出た。


    二人で帰るときに必ず寄るいつもの公園までは、お互いの部活の話をしていた。
    そして、公園のベンチにすわって、周助はいった。

    「ねぇ、僕たち付き合ってるんだよね?」

    嫌な予感がした。

    「うん。」
「なら、手ぐらい、つないでもよくない??」 普通のカレカノ関係なら、普通手くらいはつないでる。 でも、私たちはつないだことなんてない。 「それに、キスも・・・。ねぇ、僕のこと・・・いや??」 上目遣いで周助がきく。 嫌じゃない、嫌じゃないけど、私には・・・。 私は『男性恐怖症』なのである。 このことは親と担任になったことのある先生しか知らない。 小さいときから男の人が怖くって、あまり話さなかった。 いまでも、クラスの男の子とか怖いし、周助だって・・・。 「ごめん。」 「いいよ。僕も無理矢理にしたくないし」 周助はこういってくれるけど、いつも、申し訳ないと思っている。 周助のためにも、私たちは終わったほうがいいのかな。 いつもこんなことばかり考えながら周助を見ていたけど、このとき、決心した。 告白してしまおうと。 「周助、実はね・・・。」 これで終わってしまうかと思ったら、涙が出てきた。 でも、グッとこらえて言った。 「私、男性恐怖症なんだ…。」 しばらく沈黙が続いた。 少し後悔した。でも、周助のためだと言い聞かせた。 これで周助とはさよならかな・・・。 「ぷっ・・・クっ・・ハハハハ」 え?? 何笑ってんの? もう私なんかきらいでしょ?? 手も握らせてくれない女の子なんていやでしょ?? なのに・・・なんで?? 「クククっ。ハハハハハハ」 「何で笑うの?」 今にもこぼれそうだった涙は、そのときはすっかりひいていた。 「ハハハッ。ごめんごめん。それより何でだまってたの??」 「何でって・・・。周助はこんな子嫌じゃないの??」 「そんなことないよvv」 「え?」 その瞬間、私は周助の腕の中にいた。 いつなら怖いはずなのに、ここはすごく安心できた。 「僕は、あるのままの君が好きv」 夕焼けをバックに、二人の影は一瞬だけ一つになった。 ▼ども。久しぶりにアップです。あまいですか??  これ、昔書いた悲恋ものを改良した奴なんです。   どれもこれも微妙ですみません(ぺこり)
                         H15.11.24

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